第4章 Mighty Long Fall
[離合集散]1
*奈々美side*
「オイ、悪い絆創膏一つ貰っていいか?」
「あ、日番谷隊長お疲れ様です!これどうぞお使いください」
丁度前に通りかかった四番隊の人に日番谷隊長が話し掛けると、気前の良い青年は自らの懐から絆創膏を一枚取り出した
「悪いな。手当ては自分たちでやるからお前は仕事に戻れ」
こう見るとやっぱりなんだかんだで日番谷隊長は優しいと思う
戻っていく隊員を見送り、隊長は私を丁度近くにあったソファへと座らせた
私の手を持ち、優しい手付きで指に絆創膏を巻いていく
「だから…っ私だって絆創膏の一つぐらい貼れますもん…」
「うるせぇ何度も言わせんな。話があんだよ。お前にな」
「なんですか?今話してくださいよっ」
私が少し膨れ面で言うと、日番谷隊長は恥ずかしくそうに口を開いた
「あー…なんだその…。どうしてお前そんなに目ぇ腫れてんだよ。俺が気付いてねぇとでも思ってんのか」
やっぱり分かってたんだ 乱菊さんの言うとおりです
でもこの事を正直には話せない
どう誤魔化そう…
「ちょっと昨日夜中に感動する番組を見てて…。見事に腫れちゃいましたね」
「そういやあ楠木涙もろかったもんな。今日も冷やして寝ろよ」
「はぁ~い…」
ベタだがこれで良し!!
日番谷隊長と桃ちゃんの事て泣いてたなんて口が裂けでも言えないもんね
「あともう一つあるんだが」
日番谷隊長は下に向いていた視線を私に合わせた
その綺麗な翡翠の瞳の中に私が映っているのが分かる