第3章 Lonely warrior
番外編[破天荒]1
「ならぬものはならぬ。分かったら仕事の邪魔だ、出て行け」
どうにか隊舎内に入り、白哉に出会えた一護は今晩の話を持ち掛けていた
「えーケチくせぇな。いいじゃねぇかよ一泊ぐらい。大体お前ん家はどうせ部屋なんて余りに余ってんだろ?」
「…部屋は余っていても貴様などに分け与える場所は一つとして無い」
「やっぱり頭かてぇよなテメーは。藍染の件で少しはマシになったかと思ったけどやっぱ俺の思い違いだったみてぇだな」
「…何だと?」
「ちょっと朽木隊長も止めてくださいよ、一護もだ。ったくこんなくだらねぇ事で喧嘩すんなっての」
何故か喧嘩腰に会話を進める二人を見て、丁度その場にいた恋次が二人をなだめた
「つーか何で朽木隊長ん家じゃなきゃ駄目なんだよ?そもそもオメーが現世へ帰ればいいだけの話じゃねぇのか?」
「ああ。今日俺元々コッチに泊まろうと思ってな。妹たちに夕飯要らねぇって言っちまったんだ。
今更帰る訳にもいかねぇしって事で頼むよぉ」
一護が手を合わせて白哉に頼んでいるが、彼は点で無視
書類作業に追われている
「恋次さんの家じゃ駄目なんですか?」
突如聞こえてきた言葉に視線を向ける二人
その正体は花太郎並に小さかったが、芯のある目付きをした少年だった
「え…えーっとお前は…」
「理吉です!宜しくお願いします黒崎さん!
隊長、ここにサインをお願いします」
どうやら理吉という少年は自隊の隊長に書類の点検をして貰う為に来たようだ
「おおそうだ。俺ん家じゃ駄目なのか?一護」
「駄目っていうか、汚そうじゃん?お前ん家」
平然とした顔でそういう言葉を並べる一護にフツフツと怒りが湧いてきた
「…テメェなぁ…」
「って事でよ!なっ?白哉いいだろ?泊めてくれよ」
「「!!!」」
思いっ切り一護が白哉の机を叩いた事で、書類のサインの字が揺れてしまった
「…黒崎一護貴様…覚悟は出来ているな…」
「ハッ!戦おうってか!いいぜ。その代わり俺が勝ったら泊めてくれよな」
ユラリと席を立ち刀を構えようとしている白哉に斬月を片手に持ち、既に戦う気満々の一護
「散れ 千本桜」
「ヘッ!始解なんて悠長なマネしてんじゃねぇよ。斬月!!」
何と隊舎内で戦いを始めてしまった二人
恋次と理吉は焦った様子でそれを見ていた
