第7章 This more than I do not need
[月下氷人]1
「なぁんだ。じゃあもう君たちはラブラブなんだね?」
「おう!当たりめぇだ」
冬獅郎はドヤ顔でブイサインをすると、ベットから起き上がった桃に言ってみせた
冬獅郎と奈々美が付き合い始めてからもうすでに三週間が経つ
あの日以来、瀞霊廷中がその話で持ちきりとなり、今や誰もが知りゆる情報となった
「…じゃあ私は用ナシか。良かった」
ポツリと独り言の様に言葉を発した桃に、冬獅郎は疑問をぶつけた
「どうゆう事だ?」
「ん?ああ、もしあの時点でシロちゃんが奈々美ちゃんに告白してなかったら、私と乱菊さんで二人をくっつけようって話してたの」
でもその必要はないかと、桃は薄く笑みを浮かべた
「言っとくが俺はそんな肝っ玉小さくねぇからな。自分の気持ちぐれーきちんと言える」
「嘘だぁー。だってシロちゃん私が告白した時、少し嬉しかったって言ってたじゃない。子供の頃からずうっと好きだったクセに一向に奈々美ちゃんに告白しようとしないしさぁ」
桃はわざと大きな声で言葉を撒き散らす
「おまっ…!ワザとデカい声で言ってんだろ!つうか俺は楠木が好きだったとかはあの時はまだ気付いてなかったんだよ、多分な」
「どうして楠木って呼ぶの?」
「…へ?」
突然話題変えてきた
どうやら彼女は冬獅郎の奈々美の呼び方に疑問を抱いたらしい