第2章 Opening
[寂寥]1
昨日の新入隊員入隊日から一夜が明け、瀞霊廷ではいつも通りの朝が迎えられていた
「おはようございまぁす。あれ、日番谷隊長いつも何時に来てるんですか?!隊長がこんなに早いなんて多分十番隊ぐらいですよ。私も明日からもっと早く来ますね」
執務室の扉を開け、奈々美は喋り出した
「いや、俺もまだこの時間はここに来てねぇからな。ホント、誰かに見せてやりてぇよ」
その誰かとは多分我が副隊長の事であろう
入隊二日目の奈々美でもこの事は安易に予想できた
「じゃあどうしてこんな時間に?」
「昨日やり残した書類があった事を思い出してな。それだけだ」
それだけ言うと、冬獅郎は再度業務に取り掛かった
執務室の何とも言えない静寂が二人を包む
(なんかやっぱりそっけない)
昨日の入隊日から一度も自分から目を合わせてくれない
流魂街にいた時は『奈々美』と呼んでくれていたが、気付いたら自分は苗字呼びになっていた
入隊後も今まで通り三人で仲良くやっていく事は私の単なるエゴなのか
奈々美はこの様な気持ちを抱え、冬獅郎を盗み見ていた