第6章 NOTICE
[暗澹溟濛]1
*冬獅郎side*
「…ただ単に憎かったんです」
「ほんの何ヶ月前に霊術院から卒業した奴がいきなり三席の地位に就いて、何年も今の地位から抜け出せない私たちにとってこの子の存在が憎くてたまらなかったんです」
少し泣きそうな声でそう訴える六番隊の女
あぁ俺もそう言われてたんだろうなぁ…
俺、日番谷冬獅郎の通り名は『天才児』
確かに俺は史上最年少で護廷隊の隊長になった
だが別になろうと思ってなったわけではない
色々な理由はあるが、その一つに雛森に全身全霊で薦められた他に、楠木が隊長になる俺を『恰好いい』と言ってくれたからだ
俺は流魂街にいた時からも周りから避けられていた
それが隊長になってからは違う意味でもっと周りから距離を置かれる存在になってしまった
今となってはそれらも軽く受け流す事ができるが、当時は流石に挫けそうになってしまいそうになった事もあった
だが俺より先に護廷隊に入隊した雛森や、副隊長の松本のお陰で今の俺があると言っても過言ではないだろう