第4章 それぞれの過去

【I side】


I「…っ！…この阿呆っ！！！」

何やってんだよこのバカは！！

…もしかして…俺たちのためにアイツを殴ったのか…？

このバカは何がしたい…？

科学者「…いきなり殴ってくるなんて、 躾のなっていないお嬢さんですねぇ…。 I、C。…この子は何ですか？…それから…。」

…？！


イーブイ『…ぉ…ねぇ…さんっ…！（泣』

貴「っ！？イーブイ！！！」

このイーブイもバカなのかっ？！

くそっ…！アイツに捕まったら何をされるかっ…！


科学者「イーブイなんて珍しいです ねぇ。…これはいい実験材料になりそう ですよ。ふふふっ」


貴「っ…！お願いだっ…！…その子を…返 してくれ…。」



科学者「…。それはできませんねぇ…。こ んなチャンス滅多にないでしょうし…。… そうですねぇ…。」


アイツはバカのそばまで来て、そのままバカの顎を持ち上げた。

科学者「…。顔はそこまで悪くない…。歳 も十二歳くらいでしょう…？…そうです ねぇ…。貴女が私についてくるというの なら…。考えてあげてもいいですよ…？」


くそっ…！バカの奴ついて行こうとかかんがえてるんだろっ…！

ていうか、この科学者ロリコンかよっ！！！

このままだとバカまで連れて行かれるっ…！

そう思うと、体が勝手に動いた。

-----ｸﾞｲｯ

I「おいバカ。間に受けるな。」

…俺、なにしてる…？
いやいや。分かってるけど。
何で抱きしめてるんだ…？

科学者「…I、もしかしてその子に恋をしましたか？…言っておきますが、姿は人 間でも中身はポケモン。人間と恋愛なんてできm「うるせぇ。」…。」

だれがこんなバカガキに恋なんてするかっ！！

C「悪いんだけど、今この子を手放すわけ にはいかないんだよね。」

Cの言うとおりだ。今このバカを手放すわけにはいかない。

科学者「…そうですか。…では、このイー ブイは連れて行きますね。…それでは。 」


貴「っ！イーブイっ！！！」


イーブイ『おねぇさんっ！！！』

ちょっ…暴れんなっ…！！

I「…やめろっ…！」


貴「っ！離せっ！！…っ離してよっ…！！ イーブイ！！イーブイ！！！」

…そんな泣きそうな顔すんなよ…。

俺は、バカから視線を外した。

-----ﾊﾞﾀﾝ…

そしてそのまま扉は閉まった。