【ポケモン】トリップとかありえn…ってしてるっ?!【擬人化】
第8章 第8章 新たな出会い?
貴「...。なぁ、遥人...。マジで空飛んでいくの...?」
飛炎が飛び立とうとした瞬間、碧は遥人に問いかけた。
飛炎はそれを聞き、飛ぶ事を中断する。
遥「そりゃお前、陸歩くと見つかる可能性高いぞ...。」
遥人は困り顔で、自分の前で大人しく抱えられている碧を見るとそう言った。
貴「いや、分かるよ...?分かってるんだけどね...。...俺、高所恐怖症...。」
碧はそう言うと顔を青くした。
それを見た遥人は少し微笑むと「知ってる。」と呟き、飛炎に飛ぶよう指示を出した。
飛炎が翼を広げて飛び立つと、碧はびくりと体を震わせ前に回されている遥人の腕をギュッと掴んだ。顔を見てみると、目は固く閉ざされている。
そんな碧を落ち着かせるように、遥人は静かな声で「大丈夫」と声を掛け、目を開けるよう諭した。
遥人「ほら、怖がらず見てみろよ。向こうの世界とは違って、自然が多くて空気も美味いぞ。...大丈夫だ。俺がついてるから...。」
その言葉を聞き碧はふと、昔も同じようなことがあった事を思い出した。確かあれはまだ父親と暮らしていた頃。父親の目を盗んで、家の裏山へ行った時のことだ。綺麗な夕焼けを見に行ったのだが、場所が高すぎてなかなか目を開くことが出来なかった。
貴(...誰かと一緒に居て、同じ言葉を言ってもらった気がするんだが...。...誰だっけ...。)
碧は不思議に思いつつもどこか懐かしさを覚え、ゆっくりと目を開いた。
貴「っ...!」
目の前に広がる景色に、碧は言葉を失った。
広大な自然がどこまでも広がり、奥には綺麗な海と、その綺麗な青に負けないほど澄んだ空が飛び込んできた。
遥人(大丈夫みたいだな。)
嬉々とした表情をしている碧の様子を見て遥人は少しホッとし、それと同時にこれからの不安や碧を失いたくないという感情に、静かに唇を噛んだ。