第1章 入学式
「あそこの店のコロッケ美味しいんですよね〜」
サシャは焼きたてのコロッケを紙に挟んで持ってぶつぶつ独り言を言っていた
「もう匂いだけじゃ満足できませんね……いただきます」
サシャが大きく口を開き食べようとしたが肝心のコロッケがなくなっていた
「カーカー」
食べる寸前に鳥にコロッケを持っていかれてしまった
「あ!私のコロッケ!」
自然とサシャの足は動き始めていた
「待てよ!」
走り出そうとしていたサシャの袖を掴み止めた
「離してください!ああ!私のコロッケがどんどん離れてく…」
「鳥にも生活があるんだ…見逃してやれよ」
「私にも生活があります!」
サシャは勢い良く振り向いた
「だからほら…やるよ」
掴んでいた反対の手からサシャが買ったコロッケと同じコロッケを差し出された
「え?いいんですか?」
「おう」
「ではいただきます」
サシャは夢中に食べた
「落ち着けよ……まぁあそこのコロッケ美味しいもんな」
「はい!」
サシャはもうコロッケを食べ終わっていた
「そう言えばお前同じクラスだよな?」
(今朝何故か落ち込んでたもんな…)
「あれ?そうなんですか?…私の名前はサシャって言います」
「俺はエレンだ…これからよろしくな」
「はい!こちらこそ…後コロッケごちそうさまでした」
サシャはその後走って帰っていった
(俺も早く家に帰らないとな)
一方その頃
「おいまだだ…前の時よりさらに綺麗にしろ」
「だって先生…かれこれ5時間も掃除してるんすよ?」
「もう限界です…」
リヴァイの監視下の中コニーは銅像を掃除というより洗い続けていた
「つべこべ言うな…削がれたいのか?」
「すいませぇぇぇん」
コニーは半泣きしながらも黙々と洗い続けたのであった