第9章 「来ちゃった」【R18】
二人の荒い息遣いだけが響く室内。
脱ぎ捨てられたジャケットが椅子の背に引っかかっている。
私はボヤけた視界に映る自由の翼を見つめていた。
「あー…俺…なんか幸せ」
自らの精液が肌に付着することも厭わず私を抱き締めていたジャンが顔を上げる。
冷静さを取り戻しつつある私の頭。
目の前で瞳を潤ませている兵士は…15歳だ。
『ジャン…先生ね、法を犯しています』
「ぷっ…今更かよ」
半笑いで話す私の指はジャンの髪を弄っていた。硬めの直毛を束にしたり離したりしている。
余談だが、この行動に意味はない。
『非常にまずいね…自分で自分を逮捕してやりたいね』
「ははっ…先生って変な女」
青い顔で苦笑する私。
クスクスと楽しげに笑みを漏らすジャン。
こうして、私達には誰にも言えぬ秘密が出来た。
第九章[来ちゃった]完