第5章 兵士とは言え皆年頃の男子
調査兵団クリーンアップ講義。
綺麗に磨かれた黒板に白文字が躍る。
私は失笑しつつそれを眺めていた。
「…お前らに今日集まってもらったのは他でもない」
教卓の前で睨みを効かせているのは勿論この人。
兵団きっての綺麗好き。
小回りの効く機動でハタキをかけまくる人類最強の神経質。
我らがリヴァイお掃除兵長だ。
「このクソ汚え訓練場を一斉清掃してもらう」
兵長が講義の内容を発表すると、何処からか小さく溜息の音が聞こえた。
この鬼上司相手に反旗を翻す猛者がいるらしい。
「ミカサ・アッカーマン…言いたい事があるなら言ってみろ」
明らかに怒りを含んだ兵長の声。
他の生徒…もとい新兵がアワアワと慄く中、ミカサは今一度大きな溜息をついた。
「…神経質チビ」