第25章 それでもその日はやって来る
『………』
私はリヴァイ班兵舎の自室にて“一枚の紙切れ”に目を落としていた。
ライナー達が姿を消したあの日、兵舎に帰った私はポケットに折り畳まれた紙切れが入っている事に気付いた。
そこにはたった一言。
短いメッセージが残されていて。
私はあの日以来、
何度もこの“手紙”を読み返していた。
「先生ー始めるぜー!」
ノックと共にエレンの声がする。
『はーい!今行くー!』
今日はエルドさんの提案で兵長にドッキリを仕掛けまくっちゃおうぜパーティが開催されるのだ。
今日と云う今日は兵長の刈り上げをジョリッてやろう、壁内に帰って来てから結局やれてないし。
そんな事を考えつつ席を立つ。
青い月明りに照らされた机の上では“一枚の紙切れ”が誇らしげに輝いていた。