第23章 兵団対抗野球大会
ビッチ……じゃなかった、ヒッチの提案によりバッターボックスへと引き摺り出されたナイル・ドーク監督。
それならば、と兵長は自らマウンドを降りる。
「出番だぜ……エルヴィン」
グローブを胸板に押し付けられた団長は「ああ」と短く返して立ち上がった。
エルヴィン団長ー!
素敵ー!
抱かれたい男No.1ー!
赤茶色の土を踏み締める広い背中に兵団の声援が飛ぶ。
マウンドに上がった団長は大きな深呼吸をするとこう言った。
「ナイル!勝負の前にひとつ、言っておかなきゃいけない事がある!」
相対するナイル師団長は男らしい眉を顰めて言葉の続きを促す。
ずっと言おうと思ってたんだがな。
団長はそう切り出して高らかに告げた。