第23章 兵団対抗野球大会
兵長はドカッと音を立てて木製のベンチに腰掛けた。その距離は互いの膝が当たる程に近い。
「失恋は辛いか?」
『……誰のせいだと思ってるんですか』
私の咎めるような視線に兵長は一旦目を伏せる。そして、考えるような素振りをしてからこう言った。
「俺だな」
平然と言う兵長に攻撃的な視線を返す。
「まあ、そう怒るな」
言いながら肩を抱かれたが、私はソッポを向いて無言の抗議を続けた。
少し離れた所でジャンとエレンが喧嘩している。
その周りを取り囲んでいるのはリヴァイ(兵長に抱かれたジャンを駆逐したい)班の兵士達だ。