第20章 宣戦布告【R18】
私達は手に手を取り合って蹄洗場に向かう。そろそろ特別班兵舎に戻らねばならないからだ。
連日に渡る馬術のレッスン……もちろん兵長によるシゴキだけど、によって一人でも馬に乗れるようになった私。
気性の大人しい牝馬をパートナーとして此処までやって来たのだが、しかし。
『……え、嘘…』
私の愛馬だけが繋がれていた筈の場内に、もう一頭。
見覚えのある牡馬が草を食んでいる。
艶のある毛並み。
整えられた鬣。
それは間違えようもなく。
「よう……迎えに来たぞ、帰りが遅ぇから心配になってな」
思った通りの声に後ろを振り向くと、私服姿のリヴァイ兵長が立っていた。
第20章[宣戦布告]完