第19章 プロローグⅡ
ピクリ
リヴァイの眉が反応する。
ギリッ
聞こえるのは歯噛みした音だろうか。
「チッ……新兵にくだらねぇ心配されるとは俺も落ちたもんだ」
憂いと共に吐き捨てた台詞。
それは燃えるような夕焼けに溶けて、やがて消えていく。
「別に、心配しているとか…そんなんじゃありません」
「……なんだと?」
「貴方がとっとと教官を落としてラブラブカップルになってくれないと、いつまで経ってもエレンが貴方離れ出来ませんので」
こいつ、こんな饒舌に喋れたのか。
リヴァイは部下の意外な一面に驚きつつ、ふと息を漏らした。
「俺の進撃はこれからだ」
「……あの、決め台詞の御つもりなんでしょうが毛程も格好良くな」
「黙ってくれ頼む」
第19章[プロローグⅡ]完