第19章 プロローグⅡ
遥か彼方に浮かぶ地平線。
少しずつ沈んでいく夕陽。
それらが見える小高い丘に二人の兵士が立っていた。
「兵長……奇遇ですね」
ミカサの声に気付いたリヴァイはくるりと振り返って、再び視線を前に戻す。
「俺以外にこの場所を知っている者がいるとはな」
調査兵団兵舎の裏に広がる森。
広大なその森を抜けた先に“地平線の丘”はあった。
リヴァイは心に迷いが出来ると必ず此処で一人の時を過ごす。
それが彼の通例だった。
「ハンジ分隊長に聞きました」
「あのクソメガネ……余計な事を」
それで、俺に何の用だ。
不機嫌な声音でリヴァイは問う。
ミカサは少し視線を彷徨わせた後、こう答えた。