第17章 兵長を驚かせ隊
「(じゃあ……そろそろ行くわよ?)」
ペトラが真剣な眼差しを向けると、対するオルオはこくりと頷いて合図を送った。
すう…っ
特別班の天使、ペトラ・ラルが大きく息を吸い込む。合わせるようにしてオルオが巨大な樽を持ち上げた。
次の瞬間。
ガシャーンッ‼︎
「痛ああっ!何やってんのよオルオ!もっとちゃんと運びなさいよね⁉︎」
「なんだと⁉︎ お前がボサッとしてるのが悪いんだろうが!」
オルペトの両名はわざとらしい騒音と大声で騒ぎ立てた後、浴室のドアが開かぬよう木材を立て掛ける。
「おい……!何事だ…⁉︎」
すると即座に浴室内から兵長の声が飛んできた。
作戦通り。
オルペトは目を合わせてニヤリと笑う。