第16章 飴と鞭
先のサシャ徘徊騒動は直ぐに上官達の耳に触れ、該当する新兵及び私は罰則を食らうこととなった。
ハンジ分隊長という名の天使が必死に庇ってくれたことにより、私達に与えられた罰則は一日兵舎掃除という謂わば奉仕活動に留まったのである。
分隊長には本当に頭が上がらない。
『いつか必ずご恩返しを…‼︎』
「本当に?じゃあ今度、姫の体を使ってやってみたい実験が」
「俺に無許可でやってみろ……その汚ぇメガネ粉々に叩き割ってやるからな」
「…リヴァイ。あんまり過保護にするとそのうち姫に嫌われるよ?」
こんな会話をしたのが今朝の事である。