第8章 師団長と疑い
本当に意識が飛びそうになる直前に、
ナイルが寝室にやってきた。
「起きてるか?」
もう起きているか際どい私の頭を撫でる。
無理やり目を開くと、
少し意識が戻ってきた気がした。
ナイルがそっと私の隣に潜りこんできた。
当たり前のように私はナイルにくっつく。
「うん、臭くない。」
お風呂上がりのいい匂い。
落ち着く。
「ってかさ、ナイルって浮気できなさそう。」
「何だよそれ。する予定もねぇけどよ。」
「浮気っていうか…隠し事下手。」
私は抱きついたまま顔だけ上に向け
ナイルを心配そうに見る。
「もっとちゃんと上手に隠してよ。」
「リオにバレた時が怖くて
隠し事なんてできるかよ。」
「それもそうだね。
絶対に許さない。」
私の笑顔と対象的に、
ナイルの身体がブルっと震えた。