第7章 師団長と我慢
少し潤んだ瞳で、
本気でナイルを睨みつける。
私が睨む時はいつでも本気。
「いや、悪かったって。
でもリオ…
あんだけくっつかれて
我慢しろって方が無理。」
「我慢して。」
「…ダメか?」
ナイルが優しく私の頬を撫でる。
ナイルの云わんとしていることはわかる。
この続きを、ということだ。
男の人はそういうものですからね。
一部に熱が集まるのも
生理現象だと理解はしている。
というか、
欲情してくれなくなったら
それはそれで悲しいし。
「今日はくっつきたいだけなの。」
ナイルの匂いを求め、
また身体を寄せる。
この行動が更にナイルを苦しめるのは
わかっているんだけれど。
「ホントお前は拷問好きだな。」
ナイルが諦めたかのように
大きく溜め息を吐いた。
「これも愛ですよ。」
「わかってるけどよ。」
「寝ていい?」
「どうせもう眠いんだろ。」
私は縦にも横にも首を振らなかった。
答えなんてお互いわかっているから。
今日もいい夢が見られそう。
後頭部に優しく触れる手を感じながら
目を閉じた。