第6章 師団長とアイス 1
「一口。」
「…一口だけね。」
そう念押しして、
渋々私の大切なハーゲンダッツを
ナイルの口に一口分放り込んだ。
「やっぱ美味ぇな。
俺もそっちが良かった」
「ナイルはガリガリ君の方が似合うよ?」
「全然嬉しくないな。」
ナイルの物欲しそうな視線を
感じながらも食べ進める。
そんな視線で揺らぐ程柔ではない。
拗ねたのか暇なのか、
私の髪をくるくる弄り出した。
「今度アイス買いに行く時は、
俺も行く。」
「はいはい。」
そんなこんなで
ゆっくりと無事完食。
アイスの美味しい季節は幸せ。