第1章 師団長とテレビ
ナイルはただ何をするでもなく
テレビを見ている。
なんてことないクイズ番組。
一方私は、ナイルの膝の間で
横向きに座り、
ナイルの胸に頭を預けている。
耳だけでなんとなく
テレビの音を聞いてはいるものの
特に興味はわかない。
暇だ。
枝毛探しももう飽きた。
だから、なんとなく
ナイルを見上げてみる。
たまにニヤニヤしたり、
吹き出してるから、
ちゃんとテレビを見ているようだ。
困った…
暇。暇。暇。
うーん。
特に深く考えることもなく
髭に手を伸ばしてみた。
私は
一本の髭に狙いを定めた。