第17章 掌の上
「友達にご飯誘われたんで
そろそろ帰ります。」
そう言って、
勝手にパタパタと
片付けを始めた。
「帰れ帰れ。」
ナイルさんは
待ってましたと言わんばかりの
ニヤニヤとした表情を
浮かべながら吐き捨てた。
「ちょっとナイル!
ホントに
今日一日ナイルが態度悪くてごめんね。」
リオさんは
申し訳なさそうに
そう謝った。
「あー今度はナイルさんがいない時に
お邪魔させてください。」
「絶対そうする。」
「絶対させねぇ。」
2人の視線がバチバチっと
ぶつかる音が聞こえた。
そんな2人に
和んでしまった自分自身に
イラっとしながら、
カバンを肩にかけた。
「今日はお邪魔しました。」
ここは素直に
頭を下げる。
世話になったのは事実だ。