第17章 掌の上
「あーまたこの人だよ……
しつこいなぁ。」
学内にも学外にも
リオさんを
狙ってる人は多くて、
何かと誘いはあるようだが、
尽く断っていた。
「あーもう、
話が通じない……
イライラする。」
髪の毛を
くしゃくしゃとしながら
眉間に皺を寄せて
携帯を睨むリオさんを
見つめていた。
そして、
不意に力尽きたように
携帯を伏せ、
溜め息を付く。
そんな姿を
飽きる程見た。
「リオさん、
どこか甘いもの食べに行きません?」
「行く!」
力の入っていなかった背中に、
グッと力が込められ、
前のめりになる勢いで
リオさんは食いついてくれた。
僕の誘いに乗ってくれているという事実に、
優越感を感じずにはいられなかった。