第14章 師団長と女の子の日
「ナイルはどれ食べるの?」
「んーどれにすっかな…」
ナイルもこう見えて
甘いものを結構食べる。
もしかしたら
私の影響かもしれないけれど。
「これにする。」
ナイルが選んだのは、
フルーツが盛り盛りと乗ったタルト。
「あ、リオフォークいるよな。」
ナイルはそう言って、
キッチンからフォークを一本持ってきてくれた。
……一本でいいのか?
まぁいいか。
「いただきますっ」
ケーキを目の前にして、
気持ちが高揚する。
生理中は本当に甘いものを欲する。
でも買いに行くのはしんどい。
そういう葛藤をして
毎回泣く泣く諦める。
なのに今回は目の前にケーキがあるという幸せ。
その幸せを噛み締めながら、
その甘さを全力で味わった。