第13章 師団長と雷
「リオ、雷以外に怖いもんあるのか?」
「別に雷怖いとか言ってない。」
まだ強がるのか。
そんな様子を微笑ましく感じた。
「少し、ナイルにくっついていたいだけ。」
雷の音と共に
リオの腕に力がこもったり
抜けたりを繰り返す。
「来週くらいも
雷めっちゃ鳴らねぇかなぁ…」
単純に
か弱いリオが見れるから、
という意味で零れた言葉だったが、
リオがその真意まで汲み取れるはずもなく、
「いっっってぇ!
悪かったって!嘘だよ嘘!」
ナイルの言葉が終わった瞬間に、
脇腹を思いっきり抓られた。
「早くおさまるといいな。」
先ほどとは
真逆のことを言いながら
リオの頭を撫でる。
すると、リオは
胸の中で小さく何度も頷いた。
あぁくそ。
可愛い。
ナイルは雷のことなんかより、
もうそれしか考えられなかった。