第9章 あんま他のツンデレと仲良くしてんじゃねーぞ
カインはもう一度、目の前にいる謎の男を見た。
背はハンス位あるだろうか、でも細身のスラリとした体型で、黒のスーツに身を包んでいる。
(こ、こいつも耳!耳がおかしい!あれは……猫…?)
目の前の男も、ロビンやイデスの様な獣耳が付いている。
「なんだ?この耳が珍しいか?」
男は、ふん、と 鼻で笑いながらカインに問いかけた。
「……いや、別に…」
カインはとにかく、この場から退散したい気持ちになっていた。
(早く、ハンスを見つけて寄宿舎いかねーと)
「あの、ハンスどっかで見ませんでしたか?」
カインはなるべく当たり障りの無いように、男にハンスの事を聞いてみた。
すると男は、また笑みを浮かべて話し出した。
「ハンスか……教えてやってもいいが…」
「先ずはお前の身の潔白が先決だと思わねぇか?」
「俺はまだお前が不審者じゃねぇ確証がねーからな」