第8章 ツンデレ好きなのか……そ、そうか……
(いやいや、落ち着け……落ち着け……まさかこんな簡単に逸れるとかないだろ)
カインは自分に言い聞かせるように、一先ず深呼吸をした。
「ふー、さぁて……どうするかな」
カインが考えを巡らせていると、
「なんだ?何処から入って来た?」
急に背後から声がして、カインはビクっ、と驚いた。
「城のモンじゃねーよな、お前」
カインが、バッ、と勢いよく振り返ってみると、そこには見知らぬ男が一人立って、こちらをジロジロ見ていた。
「な、なんか用ですか」
カインは恐る恐るその男に話しかけてみた。
男はにやり、と不敵な笑みを浮かべて答える。
「あ?明らかに不審者そうなヤツ見つけたからよ」
「俺のことか?俺は不審者なんかじゃ……」
カインは何とか誤解を解こうと、その謎の男にハンスの事を話してみた。
「へぇ……、お前ハンスの知り合いか」
謎の男はハンスの名前を聞くと、余計にカインをマジマジと見てきた。