第1章 ツンデレって何だ⁈
どのみち、進む道はこれ一本しかないらしく、カインは今日何度目かの溜め息を吐いてトボトボと歩き出した。
暫く歩いていくと、蔓草がお互いの意思で絡み合って、まるで意思を持ってアーチを作り出してるんじゃないかと思わせる、不思議な場所に出た。
「ここか?……ふ、ふーん以外と雰囲気あるじゃん」
長閑な周りの風景とは異質な存在感を放つアーチに、カインはゴクリ、と喉を鳴らす。
(クソっ、親父の奴、こんなんで俺をビビらそうなんて…っ)
ドクドクと高鳴る胸の鼓動とは裏腹にそんな事を考えていると、
ひょこ、ひょこ、と目の前を動く物が横切った。