第4章 お前ら、ツンデレを可愛いとか言うな!
「カインは近衛兵に向いている気がするんだ」
ハンスは穏やかに目を細めながらカインを見遣る。
「近衛隊はそんな甘い所では無い」
ヘイヤがそれを遮る様にきっぱりと言い放つ。
「…それはハンス、お前が一番わかっているのではないのか?」
ヘイヤは何時もより穏やかな声でハンスに語りかけた。
「俺はただ、困っているカインの役に立ちたいだけだ」
ハンスはヘイヤを一瞥したが、またカインを真っ直ぐ見ながらきっぱりと告げた。
「…そんなに気に入ったのなら、お前の好きにすればいい」
ヘイヤは元の厳しい表情に戻り、後はもう何も言わなかった……ー