第1章 真夏の大集合-in 赤司の別荘-
~プロローグ~
夏休みも終盤に差し掛かった頃。
部活が終わり各々が自主練習に励んでいるとき、赤司君が唐突に告げました。
「お前達、バカンスに行くぞ」
この言葉が全てのはじまりでした。
「…ハァ?バカンスだと?暑さでイかれたか赤司」
「うちの部活に休みなんて無い。第一、お前が決めたスケジュールなのだよ」
「バカンスに行く金も無いっスよ」
「わざわざ遠くに行くとかメンドーだし~」
「……あの皆さん、あまり責めると赤司君が…」
黒子君が注意するも、一瞬遅かったようです。
「お前達は僕の案を拒否するのか…」
明らかに放つオーラが変わった赤司君に、思わず背筋が伸びる皆さん。
おそるおそる赤司君の顔を伺うと、ニコリと音がつきそうなほど完璧な笑みを浮かべていた。
「行くよな?」
「「「「行きます」」」」
やはり、赤司君に逆らえる人などこの場にはいません。
声をそろえて参加の意を示した皆さんに、赤司君は満足そうに頷きます。
「黄瀬、桃井とを呼んでこい。彼女達にもスケジュールを伝えなくては」
「え、2人も一緒なんスか?」
「当たり前だろう。彼女達がいないと、僕達はろくに生活出来ない」
「使用人とかいねーのかよ?」
「それでは面白くないだろう。それに、万が一、使用人に僕の計画を止められては面倒だ」
その言葉に赤司君以外の皆さんは顔をひきつらせました。
それは勿論、赤司君の計画なんてロクなこと考えてないに決まっていると、皆さん知っているからです。
しかし、そうとは知らない赤司君は上機嫌に告げました。
「明日の朝、4時に帝光中前に集合だ。遅れたらおいていくからな」
「「「「4時!?」」」」