第7章 ヤンデレ
蓮の言葉に、稟の動きが止まる。よく見ると、稟は目を見開いていたのだ。稟は、やがて……。
「ソンナノ…信ジナイ。私ニハ、兄妹ハイナイ!!!」
否定的な言葉を吐く。その様子を見る蓮は、悲しげな表情を浮かべる。それも、友人というよりも兄として、稟を見る。彼の瞳には、兄として妹を見る目をしていた。
「ソンナ目デ、私ヲ見ルナ!!!」
稟は、急に騒ぎ出す。香李と優稀は、黙ってその様子を見ていた。これは蓮と稟の兄妹との問題だから手出しは一切できない。
一歩一歩、蓮は稟に近づく。しかし、逆に稟は後ろに下がっていくばかりだ。そして……その場から逃げるように走り出すのだった。
「蓮、どうするの?」
「追い掛けるに決まってる。お前らは??」
「決まってるよ。僕達も追い掛けるよ。だって、大切な友達だからね。」
優稀は、当たり前のように言うとニコリと笑う。香李も、コクリと頷くのだった。その様子を見た蓮は、ニヤリと笑い稟が逃げて行った方向へと走り出すのだった。
3人は、稟の心を救い出そうと決意をしたのだった。