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イナクナッテシマエバイイ…

第7章 ヤンデレ


優稀は、その2人を見て思わず笑ってしまったが、行こう…と声を掛けて歩き始めるのだ。一方の稟は、うろちょろと優稀を探す為、動いていた。


「優稀…何処ニ、イルノ~???」


寂しそうな弱々しい声で、優稀の名前を呼ぶ。だが、いくら呼んでも優稀の返事も来るわけがない。それでも、稟は彼の名前を呼び続ける。右手には、鋭い刃物…包丁が握られていた。


「早ク見ツケテ…ズット一緒ニイルンダ…。キット、楽シイダロウナ~。」


稟は、クスクスと笑いながら廊下を歩いていたのだった。優稀は、何かを感じとったのかブルリ…と震えるのだ。蓮と香李は、頭の中が?を浮かべる。


「どうしたの?優稀?」

「あ、いや…。なんか。急に寒気がしただけ…。」

「風邪か?……そんな訳ねぇよな…。」


2人は、優稀を心配そうに声を掛けるのだ。優稀は、何度か深呼吸を繰り返し落ち着かせる。やはり、何処かまだ恐怖心が残っているみたいだ。


そんな中暫く歩いていると、遠くからカツカツという足音が3人の耳に入ってくる。思わず3人の身体は、強張る。その目の前にいたのは、右手に包丁を持った稟の姿。


「見ツケタ~。優稀~。」

「す、鈴蘭……。」


不気味な笑みを浮かべていた。その瞳を見るかぎり、3人は冷や汗を掻く。恐怖という物が3人を襲う。ギュッと金属バットを握り締め、優稀の前に出る蓮。


「なぁ、稟…。1つ言っておくぞ。」


蓮の言葉に、ピクリと僅かに身体が動く稟は、不気味な笑みが消えて耳を傾ける。その顔には、何?という不機嫌な表情だ。蓮は、稟をしっかりと捉えて口をゆっくりと動かすのだった。

「俺とお前は…双子の兄妹だ。」
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