第7章 ヤンデレ
蓮は、ついでなのか稟との兄妹関係を優稀に教える。さすがにこの話を聞いた優稀は、少し動揺をしていた。
「鈴欄は、知ってるのか??」
「わかんねぇよ。アイツの記憶があるかは…。」
蓮は、知らん顔をするが何処か寂しそうな表情も浮かべる。優稀は、苦しそうな表情を浮かべ黙ってしまった。
「とりあえずさ……稟を元に戻そうよ。ねぇ?」
香李は、よほど稟の事が心配なのか困った表情しながら2人に問い掛ける。2人は、あぁ…と呟き歩き始める。今、稟が何処かにいるかは分からなくても……。だが、目の前にあの幼い稟のロボットがまたもや姿を現す。またかよ…と嫌そうな表情を浮かべて、金属バットを構える蓮。
「蓮、無理はしない方がいい。僕が変わるよ…。」
「んいや…いい。俺の仕事だ。」
そして、ギュッと握る音が入る。蓮は、少女…稟に向かって殴りつける。やはり、物凄い音で響き渡り稟のロボットは、床に転がり落ちる。あまり、良い風景ではない。
「さて、障害物は倒した。さっさと、稟を探すぞ。」
「うん。だけど、何処にいるの?」
香李の質問にうーんと唸り声をあげる蓮。優稀は、もしかしたら…と声を漏らす。
「可能性の話だが…僕が来た方向に向かえば鈴欄に会えるんじゃないかな?」
優稀が来た方向とは、恐らく優稀が入ってた牢屋の方向だ。香李と蓮は、お互いに顔を見てから頷くのだ。
「分かった、そっちの方向に行ってみよう。」
「……危険だけどいいのか?」
「危険な目は散々合ってるから気にしないよ。」
優稀の忠告に、香李は苦笑しながらそう言う。蓮も、僅かに口元を吊り上げてしっかりと頷く。