第7章 ヤンデレ
「わ、わりぃ…。考えてなかった……。」
慌てて謝る蓮。別にいいよ…と小さく言う香李は、プイッと逆方向を見る。その事に優稀は苦笑をしていた。
「ところで、鈴欄をどうやって元に戻すの??」
優稀は、表情を戻して2人に質問する。蓮は、ポリポリと頭を掻いてう~んと唸り声をあげる。蓮は、スマートフォンの光を少女に向けると、はぁ?と声を漏らす。
「どうした?蓮?」
「いや……。俺の記憶があってれば……コイツ、稟の幼い頃の姿だぞ?」
蓮の言葉に、固まる香李と優稀。蓮の話によると、この少女は稟の幼い頃の姿だと言うのだ。
「1つ聞いていいか?鈴欄に、作る技術ってあるのか?」
「いや…ねぇーと思うぞ。」
という事で、誰が?という疑問を思い付く。そこでも3人は、う~んと考えこんでしまう。その時、あっ!と声をあげる香李。
「今、思い出したけど…。稟のお父さんって、技術者って聞いたよ?」
香李の一言に、顔色を真っ青に変える蓮は、まさか…と声を漏らす。優稀は、心配そうに顔を歪ませ蓮を見る。
「マジかよ……。その話が本当なら俺の前の父さんだ。」
「前の父さん?」
「そっか、優稀は知らないんだよね。」
優稀も蓮の両親が再婚した事は知らない為、蓮の言葉に疑問を持つ。其処で、話を聞いた香李が優稀に、簡単に説明をするのだった。優稀は、驚きながらもなるほど…と呟いていたのだ。
「前の父さんは、それなりの技術を持ってたし、ロボットを作れる事も出来る凄腕の持ち主だ。あの人が作ったなら、この少女も簡単に作れる。」
蓮は、睨みつけながら幼い稟のロボットを見る。