• テキストサイズ

イナクナッテシマエバイイ…

第6章 村のショウタイ


蓮と香李は、武器を探すためある部屋を見つけてグルグルと歩いていた。すると、蓮があっ!と声を張り上げて、いくつかの小道具を退かし引っ張る。其処から出てきたのは、金属バットだった。


「これ、いけんじゃねぇ?」


蓮は、そんな事を言いながら金属バットを2、3回振り回す。ブンブンという鈍い音が香李の耳に入る。かなりの重みがあるバットだと分かる。


「よし、これでよく分からない奴を倒せるぜ。」

「でも、本当に倒せるの?」


香李は、疑問に思った事を蓮に質問する。蓮は、眼鏡をクイと持ち上げる。


「だって、お前の話によると優稀が奴に向かってノートを投げつけたんだろ?少なくとも、実体化してるって事になる。つまり…。」

「バットで殴れる可能性はあるって事??」


香李の言葉に、コクリと頷く蓮。しかし、人を殴るという行為は犯罪だという事に気付く香李。


「で、でも犯罪になるよ?!」

「お前…奴を見たとき何か違和感なかったか?」


蓮から出た言葉…違和感というのに首を傾げる。そうだな…と悩み始める蓮。やがて、ゆっくりと口を動かす。


「これは、あくまで俺の仮説だが…少なくとも奴は人間じゃねぇ。」

「ゆ、幽霊って言いたいの??」

「ばーか。幽霊だったら、実体化なんかできねぇよ。触れる事すらできねぇ。」


香李は、首を傾げながらじゃあ、何?と蓮に問い掛ける。


「俺の考えなら、奴は人工的に作られた物だ。」

「人工的に作られた物………???」


そうだ、と言わんばかりに頷く蓮。でも、人工的に作るというのは、とても簡単な事ではない。それなりの技術が必要となっていく。それは、誰だって分かる事だ。
/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp