第6章 村のショウタイ
→呼ばない。
どうしても、僕は彼女の名前を言いたくはなかった為、口を閉ざす。いつまでも鈴欄の名前を言わない僕に違和感を持ち始める彼女。
「ネェ、呼ンデヨォ…。」
鈴欄は、弱々しい声で僕に言う。僕は、恐る恐る顔を見上げると、其処には怒りの表した瞳で僕を見る鈴欄の姿。その瞬間…僕の呼吸が喉に詰まる感じがした。
──怒っている……。
鈴欄は、徐々に僕に近寄って来る。今の僕じゃあ…抵抗も逃げる事も出来ない。やはり、鎖に繋がれていると色々と不便である。彼女は、ゆっくりとした動作で僕の首を掴む。そして、徐々にその鈴欄の手に力が入っていく。その影響で、僕の呼吸も苦しくなってきた。
「す、鈴欄………な………んで………??」
「………。」
鈴欄は、黙ってしまう。しかし、手の力は一向に強まるばかりだ。やがて、僕の意識が朦朧としてきた。その時、鈴欄は不気味な笑みを浮かべるのだ。
「優稀…イツマデモズット…一緒ダヨ……。」
僕は、その言葉を最後に意識を失うのだ。
→BAD END