第5章 過去………
しかし、既に死んでいる彼女からは返事が全く無い。当たり前の話だ。蓮は、下唇を噛み締めて少女に、向かって叫ぶ。
「て、テメェーは一体、何がしたいんだッ!人を殺して、何を得るッ!?」
「……………。」
少女は、蓮の質問には答えない。少女の瞳には、冷たさを感じていた。光のない瞳で、蓮を見下す。心臓を突き刺さるような感じがした。
「て、テメェー………。ふざけんじゃねぇよ!!いい加減にしやがれッ!!」
「………………。」
少女はまた何も答えない。蓮の心は、怒りでいっぱいになってきた。やがて、また口を動かそうとした時………。ザシュッ!!という音が彼の耳に入ってきたと同時に、強い痛みが背中から感じてきた。蓮は、ゆっくりと後ろを振り向く。
「……は………?な、なん…………で…だ、よ…………。」
目を見開き、蓮は最後の姿を見た。
不気味な笑みを浮かべている………………。
稟の姿を…………………。
→BAD END