• テキストサイズ

イナクナッテシマエバイイ…

第5章 過去………


─蓮─

「………………?母さん、どうしたの…?何で泣いてるの?父さんと喧嘩したの?」


俺が小さい頃、この村に住んでいて母さんは、珍しくないていた。リビングで、ずっと泣き続けている所を、俺は見ていたから話し掛けた。しかし、母さんは泣き顔になりながらも、微笑んで俺の頭を優しく撫でていた。


「ごめんね…。私なら大丈夫だよ……。」

「でも…母さん。父さんと喧嘩したなら、仲直りしてほしい……。」


母さんは、俺の一言に一瞬だけ目を丸くさせたが、すぐにいつも通りの柔らかい笑みを浮かべる。そして、母さんは俺を抱き寄せて言った。


「そうだね、父さんと仲直りをしてくるね。」


母さんは、そう言って俺からゆっくりと離れていき、リビングを出たのだった。僅かその数日後に、引っ越す事になりこの村から離れて行った。


「───ん─。蓮ッ!!!」

「っ?!!」


香李の呼び掛けに俺は、我に返った。香李は、不安な表情をしながら俺に大丈夫?と問い掛ける。一度、大きく息を吐き出して、眼鏡を上げて、大丈夫だと答えるのだった。


──そういえば、どうしてこの村から離れる事になったんだ?理由は………なんだっけ?


俺は、自分の過去を思い出したついでに、引っ越した理由を考える。というか、思い出そうとするが、そう簡単にはいかなかった。全く、覚えていないのだった。










─蓮 終わり─
/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp