第1章 久しぶりの…………。
暫く、森の中を歩く4人。やっと、森を抜けた所、4人は驚愕をしていた。無理もない。4人が、想像していたものとは、全く違っていた。
最初に、言葉をこぼしたのは稟だった。
「な、何……これ?聞いて……ないよ?」
絶望的な言葉をこぼす。雑誌に載っていた写真は、とても色鮮やかなものだったのにも関わらず、今目の前に映っているのは、花が一本も生えていない。
いや……むしろ村自体がおかしかった。人の気配など全くしない。殆どの家ほ、ボロボロ状態。
「……折角、楽しみにしてたのに………。」
香李の弱々しい声が、皆の耳に入る。香李を見ると、彼女の瞳には涙が溜まっていた。恐らく、余程のショックだろうと考える。
「………香李………。」
優稀は、彼女の名を呼び抱き寄せる。そして、優しく香李の背中を撫でる。優稀は、彼女を落ち着かせようとしていた。
香李は、彼に抱き寄せられた時は、とても驚いて体が、固まってしまったが彼の気持ちが、届いたのか段々と体が緩んでいく。
香李は、優稀の胸に顔をうずめて、ひっそりと涙を流す。優稀は、片方の手で香李の頭を撫でる。
香李が落ち着いた所で、彼女は優稀から離れる。ごめんね、と言って彼女は彼に謝罪をするが、優稀は首を左右に振る。
それを見守るように、見る稟。そして、さっきからやけに静かな、蓮を見る優稀。蓮は、村を睨み付けるように、見ていた。