第1章 久しぶりの…………。
─蓮─
俺は、ボーと遠くの方をずっと見ていて、優稀の声で、やっと我に返る。とりあえず、優稀達は、先に行くみたいだ。
俺は、頷いて優稀達の背中を眺めていた。ある一定の距離が離れ、俺は空を見上げる。相変わらず、天気がいい。
まぁ……この俺がアイツらの後を、追い掛けるのは、俺の気分次第だしな……。
俺は、ポケットから携帯を取り出す。携帯は、『圏外』と書かれていた。俺は、溜息を漏らす。
「あ~あ。此処は、やっぱり電波ねぇな。ちくしょう…行くんじゃなかった……。」
俺は、1人でそんな事を呟いていた。心の何処かで、後悔をしていた。しかし、それと同時に、別にいいか、という投げやりもあった。
「あ~もう……。だりぃな…此処は、あんま来たくなかったのにな………。何故、来ちまったんだ?」
俺は、そんな風に疑問をこぼし、重たい足を動かし始めた。
「仕方ねぇな………。」
俺は、ニヤリと笑い優稀達の所へと歩き始めた。
─蓮 終わり─