第4章 クルイ
蓮は、今でも消えそうな声で言う。そう、彼を刺したものは、鋭い包丁だった。だが、彼を刺したのは、少女ではない。少女は、その場に立ち竦んでいたのだ。
「………残念デシタ~。」
そう蓮に向かって言い、包丁を彼の胸から抜く。それと同時に、蓮はその場に倒れる。地面には、彼の血が大量に出て赤く染まっていた。
「………ふざけ………んじゃ……………ねぇ……………よ…………。………………り……………ん…………………っ…………。」
「アレレ~?マダ、息シテルミタイダネ~。」
彼を刺したのは、不気味な笑みを浮かべている稟の姿。蓮は、未だ信じられないという表情を浮かべるがそれどころではない。もう、彼の意識は朦朧としていた。稟は、包丁を振り上げて………………。
「邪魔ダヨ…。」
それが、蓮にとって最後に聞いた言葉だった。
→BAD END