第4章 クルイ
一方で、香李と蓮は無事地下に侵入が出来た。やはり、地下という事なのか、周りは石やコンクリートで、頑丈に作られている。灯りが一切ない。頼りになるのは、それぞれが持っているスマートフォンの灯りだけだった。だが、それと同時に異様な臭いが漂っていた。
「な、なんか……変な臭いがする……。」
「あぁ…。鼻がもげそうだ…。」
2人は、今まで嗅いだ事のない臭いに驚いている。かと言って、此処で立ち止まる訳にもいかない。とりあえず、ひたすら前へと歩くのだ。壁には、赤い…いやもう黒ずんでいるが、血が大量に付いていた。すると、遠くからガザカザという奇妙な音が、2人の耳に入ってくる。体が、強張る。其処にいたのは……あの少女だった。
「マズイッ!!逃げるぞ!!お前、先行け!!」
「え……?なんで?2人で逃げようよ!!!」
蓮は、声を張り上げて香李に言ったが、その彼女は彼の言葉に、反論する。蓮は、チッ…と舌打ちをして更に言った。
「お前より、俺の方が体力やスピードがある。ぜってぇ、逃げられる。だから…逃げろ!!」
「……………っ……………。」
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