第4章 クルイ
香李は、今でも泣きそうな表情を浮かべていた。蓮は、大きく溜息をして拷問部屋をグルグルと歩き始めた。蓮は、何かを探しているみたいに見えた。香李も、その事に気が付いたのか、涙を堪えて何かを探し始めた。
「おらッ!」
蓮は、一番重そうな拷問道具を蹴り飛ばす。重いという事で、吹き飛ばないが大きく傾き、ガタンッ!と倒れた。埃が舞い上がって、香李と蓮は咳払いが起こる。香李は、何やってるの!と蓮に怒るのだった。蓮は、わりぃ、と答えるのだ。香李は、大きな拷問道具が倒れた場所を見ると………。
「ねぇ……それ、扉じゃない?」
香李の言葉に、顔を上げる蓮は彼女が指した方向を見ると、扉があったのだ。蓮は、不思議に思い扉に近寄り、ドアノブを手に掛けて開けようとするが、ガチャガチャと音がなるだけで、扉は開かない。
「んだよ……。鍵掛かってんじゃん。」
「どうしよう………。」
「あ…、そうだ……。」
蓮は、何か思い付いたのかポケットをガサガサと探す。其処から取り出したのは、一つの鍵。蓮が先程『地下室の鍵』と言ったものだ。蓮は、恐る恐る鍵穴に入れる。そして、軽く回すとガチャッ!という音が聞こえてきた。開いた事に、驚く2人。
「開いた………よね?てことは………。」
「あぁ……そうみてぇだな。この先は、地下しかねぇな。」
そして、2人は地下室に向かって歩き始めるのだった。