第1章 久しぶりの…………。
蓮は、腕を組んで真顔で、自信満々で言った。
「あぁ。わかってるじゃねぇか。俺が、行くか行かないかは、俺が決める事だしな。まぁ、当日の気分次第しな。」
更に、蓮は眼鏡をクイっと持ち上げる。蓮の行動に、イラッときたのか稟は香李から手を放し、蓮の眼鏡を取り上げる。
そして、そのまま稟は逃走とする。蓮は、慌てて稟の後を追いかけて行く。
「おい!稟ッ!俺の眼鏡、返せ!」
「やーだよ!ベーだ!」
稟は、蓮に向かって軽く舌を出す。蓮は、舌打ちをして、稟を追いかけていく。その2人を見守る香李と優稀だった。
こうして、この4人はこの小さな村……田舎に来たのだった。電車やバスを使って長い時間掛けて来た。
「そんじゃあ!レッツ、ゴー!!」
稟は、楽しそうに声を上げて走り出した。その後を、慌てて追い掛けて行く香李と優稀。相変わらず、蓮は皆とは別にのんびりと歩く。
「稟、待ってよー!」
「香李に鈴欄、走ると転ぶぞ。」
優稀は、2人に注意しながら後を追い掛ける。一度優稀は、立ち止まり蓮を見る。
「蓮、先に行ってるぞ。」
蓮は、何処か遠くの方を見ていて優稀の声で、元の視線に戻す。そして、頷いていた。優稀は、それだけを言ってまた、走り出した。