第3章 キオク
蓮は、一人で行動をしていた。とりあえず、蓮は旅館の中をグルグルと動きまわっていたが、進展は一切ない。蓮の気持ちは、段々と怒りがこみ上げてくる。
「地下は、本当に何処にあるんだよ!!意味わかんねぇし!聞いた事は、あったがまさか本当に存在していたなんてな……。」
蓮は、独り言のように呟く。蓮のポケットには、先程見つけた鍵が入っていた。蓮は、大きく溜息をして、旅館を出るのだった。いつまでも、此処にいても仕方ないと判断したのだろう。
「さてと………次は、やっぱり神社の方に向かうか。」
蓮は、そんな事言って神社の方向へと向かった。だがその途中で、また香李と再開してしまった。お互いに、まずい雰囲気を出していた。
最初に、沈黙を破ったのは蓮だった。
「その様子だと、稟はまだ見つかってないみたいだな。」
蓮の言葉に、頷く彼女。そして、彼女は蓮の
方を見て言った。
「だからね、もしかしたら、あっちの方向に居るんじゃないかな?と思って今、向かっていたの。」
彼女が、指を指す方向へと向ける蓮。その方向とは、神社の方向だった。それは、蓮と一緒に行動する事となる。蓮は、一人で舌打ちをする。
「お前も、そっちに行くのか……。分かった。お前も、一緒に来い。」
「えっ?い、いいの?」
蓮からのまさかの誘いに戸惑う香李。蓮は、一度息を吐いて香李を見る。
「遅れたら、置いてく。」
蓮は、それだけを言って歩き始める。それでも、香李は一人で行動するよりも、どれだけ楽だと思って、ありがとうと言って、蓮の背中を追いかける。
「蓮!一つ質問していい?蓮って、この村知ってるの?」