第3章 キオク
─稟─
私がついた部屋は、木製で出来た机と椅子。とてもシンプルだった。私は、無意識にその部屋に入る。それも、警戒しないで………。
辺りを見回すが、机や椅子以外に何もない。机に近づき、引き出しなどを開く。其処には、謎のボタンがあった。手を伸ばし興味本位で押す。
すると、ガタッ!と大きな音が、私の後ろから聞こえてきた。驚きながらも恐る恐る振り向く。壁から何やら飛び出していた。
近づきよく見ると、驚きの物があった。
「っ、これは………道具しか見えない。」
そう私の目の前にあるのは、普段使う道具………鋏、カッターなどが置いてあったがそれだけではない。その横には、鎖、鞭、ペンチ、チェンソーなどがあった。
「…………拷問道具………なの?」
私にとっては、疑問だらけだった。何故、この部屋に拷問道具があるのか、不明だった。わからない事だらけ………。
その時、ガタッ!と扉が開く音が私の耳に入ってくる。振り返ると其処には、あの少女がいた。少女は、不気味な笑みを浮かべて部屋に入る。
突然と私の体が震え始める。当たり前だ、殺されると思っているのだから。
「ミツケタ………。ヤット、ワタシノモノニナッタヨ。」
「も、物?私は、道具ではないよ!」
思わず反論する。少女は、止まり私に手を差し伸べる。思わず、私の体は硬直する。何をしてるいのかと……。
「…………ナニイッテルノ?………アタナハ………ワタシダヨ。」
少女は、はっきりと私に向かってそう言ったのだ。何を言ってるのかと思考が追いつかない。
「オボエテナイノ?ダッテ………ワタシハ………アナタニ─────」
「いやあぁぁぁー!」
少女の言葉に、私は高い声で悲鳴をあげた。
─稟 終わり─