第2章 1人は……ダメ……
─稟─
人影を見かけた為、私は追いかけて行った。後ろから蓮の声が聞こえていたが、それを無理していた。
夢中で追いかけていたせいか、今何処にいるか分からない。でも、分かるのは今…私は地下にいる。
どうやって、此処まで来たのか自分でも分からない。壁や床は、コンクリートで出来ている。
一つもない窓……。私は、その空間をただ一人で歩いていた。此処の空気は、とても重く。
何よりも、鉄の臭いで酷かった。壁や床には、大量の血がこびりついていた。でも、かなり年数は経っていた。
そして、あっちこっちに大量の人の亡骸……。骨があるのだ。何よりも目に付くのは……拷問のような道具がある。
「…………とんでもない、場所に来ちゃったな……。」
だけど、私の足は止まる事なく何処かへと向かっていた。それも自分の意識とは関係なく。
そして、ある部屋に着くのだった。
─稟 終わり─