第2章 1人は……ダメ……
蓮と稟は、優稀達を探すため村中を歩いていた。彼らは、優稀達が何処居るかはわからないからだ。
「たくぅ……何処に居るんだよ?アイツら………。」
頭をボリボリと掻きながら、不機嫌な表情をして言う蓮。そんな様子から稟は、苦笑しながら、しょうがないよ、と答えるのだった。
蓮は、空を見上げていた。すると、稟は………。
「あ、あれ!もしかして、香李かな?」
そう言って、急に走り出す。蓮は、慌てて視線を戻すが……既に稟の姿が何処にもなかった。
蓮は、マジかよ……と心の中で思っていた。稟とは、先程と再会したばっかなのかも関わらず、またいなくなってしまった。
「稟!何処だー?」
蓮は、彼女の名を呼び続けるが…返事は返ってこない。蓮は、段々とイライラが重なってきて、歩き方も荒々しくなってきた。
「だから、此処は嫌なんだよ!」
そう乱暴に言って、近くにあった家の扉に向かって蹴る。バキッ!と扉は、大きな音を立てて、壊れる。
古い為、簡単に壊れる。埃が舞い上がり、蓮はその埃を吸って、軽く咳をする。
「ゲホッ!んだよ……此処は………。」
その壊れた、家の中に入る。この家も、何人かの死体……いや…大量の人間の骨があった。
蓮は、軽く舌打ちをする。そのまま、家を出ようとした時、ガザッ!と何かを踏んづけた。
彼は、視線を足元に送ると、何かのノートが落ちてあった。不思議に思い拾い上げる。ノートを広げると、殆ど白いままだった。
しかし、一部だけに………。
『この地に、戻りし者は………気をつけたれ。』
それだけを記されていた。何かのメッセージだとは、わかるが意味がわからない。