第2章 1人は……ダメ……
→優稀の言う通りにする。
私は、優稀を信じて頷き、少女の横を通る。少女は、私に気づいたのか私に向かって包丁を振り上げる。
「やらせない!」
優稀は、言葉を発すると共に近くにあった物を拾い上げ、再び少女に向かって投げつける。ガンッ!と見事に、少女に当たる。
私は、一度優稀の方を見る。優稀は、此方に気づいて、私に向かって微笑む。
「大丈夫だよ。後から必ず、追いかける。」
「…………うん、必ず………ね。」
はっきり言って、本当は心配で心配で仕方なかった。でも、優稀の微笑みを見てると、何故だか、安心する。
私は、優稀に背を向けて、廊下に飛び出し走る。とりあえず、今は出来るだけ遠くへ逃げた方が、いいと思ったからだ。
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─香李 終わり─